ホワイトニングを保険で受ける事はできないの?
この質問、意外と多く検索されているようです。
確かに、歯科医院で保険治療でホワイトニングが受けられると良いですよね。
保険診療の対応した治療では、本人は3割の負担だけで治療が受けられます。
なので、もし歯のホワイトニングも保険で受けられるとすると、例えば3万円のホワイトニングが9千円で出来てしまうということになります。
これなら保険のクリーニングよりも、確実に一気に白い歯になれるホワイトニングの方が受けたいという方が多そうですね!
ちなみに、歯医者さんのクリーニングは本来の歯を白くする効果は無いのですが、表面の汚れを落とす効果はあります。
歯の中に入った着色を落とすまではしないでも、表面のヤニ汚れやネバネバだけ取れればOKという方は、「歯周病治療のうちのクリーニング」を受ける事でだいぶ改善されます。
その費用は保険適応でクリーニング単体だと約3000~4000円の範囲内でしょう。(自費のクリーニングだと、より快適なものも多いですが、1万円以上の場合が多いです)
審美(見た目)を目的とした治療では保険がきかない
そうなのです。
結局は、「見た目の改善」を主な目的とした治療は「病気」の治療とは見なされないために、保険適応外なのです。
美容外科や歯並びを治す矯正歯科なども、もちろん保険はききませんよね。
でも、保険の規定とは裏腹に、最近は病気の改善よりも見た目も改善の方を重要視している方が多い様に思います。
なぜか?
虫歯や歯周病の改善よりも、見た目の改善の方が周りに与えるインパクトが大きく、心理的効果も高いからだと思います。
確かに、「歯の表面のネバネバが取れた!」「歯と歯の間の汚れが取れて歯周病がよくなった!」というよりも、「歯が真っ白で輝くように綺麗になった!」という方がインスタ映えもしそう(笑)ですし、心理的にもより自信をもって笑顔で過ごせそうです。
そう、「一般的にニーズが高い、見た目改善の治療の方が保険がきかない」という状態なのです。
なぜ外国人は日本人よりもホワイトニングを日常的に受けているのか?
これについても、先ほどの「ホワイトニングを保険で」という要望があることから考えると、分かる気がします。
欧米人の方々は芸能人でもないのに歯が真っ白でキレイな歯並びの方が多いですよね。
欧米ではホワイトニングや矯正治療は若い時から当たり前のように日常的に行っていて、身だしなみの一つの様に浸透しています。
とても悲しいですが、よくオリンピックなどで様々な外国の方と日本人が並ぶと「日本人は歯が黄色くて歯並びが汚い」なんて言われていますよね。
最近では日本でも街中でも良く外国の方を見かけるようになりましたが、そのような方々も本当に綺麗な歯をしている方が多いです。
なぜこんなに違うのでしょう?
と思うかもしれません(^^;
いえいえ、逆、というほどではありませんが、根本的な歯の治療に対する考えが違うのです。
外国では一般的には歯科治療に保険制度がない
これ、全ての歯科治療にです。
虫歯治療も、歯周病治療も、親知らずの抜歯なども、もちろん基本的に全てが自費治療です。
日本では歯の根っこの治療など、保険で500円前後(安っ!)などで受けられる治療も、外国では5万円とかする事も(^^;高っ!
しかし、歯科治療は全て自費なのが普通なので、歯を白くできるホワイトニングに3万円などと聞くと、根管治療よりも安いしスグに周りにもアピールできるし、手軽にやろう!と思うわけですね。
日本の歯科治療費は本当に世界的に見ても激安!!なのです。
なので、「歯医者のホワイトニングは高い」というイメージ自体が世界的にみるとおかしい考えになってしまいます。
むしろ、海外では歯医者で行うオフィスホワイトニングは8~10万円程度の事が多く、日本での歯医者のホワイトニングはお得だと思われているようで、当院に来られる外国人の患者さまの中には「日本に出張や旅行で来たから、安いし歯医者のホワイトニングを受けていく」という方も多いのです。
保険適応外のホワイトニングの料金だけでもお得というほどなので、知り合いの外国人に日本の保険適応のクリーニングの料金を伝えた際は、安すぎてビックリしていました(^^;
外国では、本当に効果のあるホワイトニング歯磨き粉が市販で売られている
歯科治療に一般的に保険制度があるか無いかの違いだけではなく、市販でホワイトニング成分の入った歯磨き粉が買えるかどうか?の違いも大きいと思います。
↑こちらでも何度もお話してきましたが、
日本では市販では「本当に白くなる」ホワイトニング歯磨き粉は売られていません。薬事法に違反してしまうからです。
なので、日本のドラッグストアや通販などで売っている「日本製のホワイトニング歯磨き粉」というものは全部本来のホワイトニング成分は入っていない為に歯の中の色素は脱色されずに、表面を機械的に磨いて汚れを取る効果のみなのです。
一方、外国では、歯の中の色素を脱色して、より白くする本来のホワイトニング成分が含まれたホワイトニング歯磨き粉も多く手に入るので、殆どの外国の方は日常的にホワイトニングをしているということになります。
ちょっと不公平な感じもしますね(笑)
※当院では、純アメリカ製の本来のホワイトニング成分を含んだ歯磨き粉をご用意しております。在庫に限りはありますので、ご希望の際はなるべく事前にお問い合わせ下さい。
ホワイトニングに保険が使えないなら、安い歯医者さんはないの?
ホワイトニングがどこでも保険外治療になってしまうなら、その中でも安い歯医者さんのホワイトニングを受けよう!と思いますよね。
そこにも、落とし穴がありますΣ( ̄ロ ̄lll)
歯医者さんのホワイトニングは値段も効果も様々
御察しの通り、「安いホワイトニング=歯を白くする効果が低いホワイトニング」というのが普通です。
ネットサーフィンで調べると2500~8000円など、
これは殆どすべて
「その場で、歯磨き粉と消毒剤を混ぜて作って、それっぽくしたホワイトニング」です(^^;
あ。少しぶっちゃけ過ぎかもしれませんが。
近年の日本の歯科業界では、これは暗黙の了解で行われていて「うちのホワイトニングは歯磨き粉と器具消毒の薬液を混ぜてホワイトニング薬を無理矢理自分で作っているから安いんだよ!」とは、わざわざ言いません(^^;
混ぜる歯磨き粉成分には様々な物があります。
一般的に市販の歯磨き粉の裏に書かれている成分で「ポリリン酸ナトリウム」や「メタリン酸ナトリウム」などが多いです。
※ちなみに面白い事に、最近は犬の歯磨き粉やドッグフードにも入っています(笑)
食品と同じような、それくらいマイルドなものです。器具の消毒薬液が強すぎて危険なので、薄める為に用いていると思われます。
(ポリリン酸ナトリウムと専門的にいうと、なんだか凄い成分のようですが、日頃から歯磨き粉や食品にも用いられているのですね)
歯を白くする効果は、歯磨き粉を混ぜて薄くしているので、多少、歯磨き粉よりも白くなる程度と考えられたら良いでしょう。
(歯の色のシェード表でいうと、約1~2段階ほど)
歯磨き粉成分と混ぜているのが器具などの消毒用の「液体状の過酸化水素」。
これ、国で「劇薬」指定されています。
さすがに歯磨き粉成分と混ぜても危険ですので、効果だけではなく、安全性の意味で、私はあまり安いホワイトニングはお勧めしません。
だいぶ、話がそれてしまいました。
「安いホワイトニングは効果が低い」物が一般的というお話でした。
じゃぁ、高いホワイトニングは本当に白い歯になるから何でも良いの?
ここでも、注意が必要です。
一般的に「一回の料金が高いホワイトニングは白くなる効果も高いホワイトニング」ということなのですが
「一回で一気に白い歯になる」ものは薬剤の濃度が強すぎて、「歯が痛くなる」事が多いのです。
と思いますよね。
ホワイトニング効果と、それにより生じる歯の痛みは切っても切り離せない相関があります。
歯医者さんのホワイトニングを選ぶときは、値段だけでなく、痛みが出にくいけど効果が高いホワイトニングを選ぶことが大切です。
結局、どのホワイトニングを選べばいいの?
「ホワイトニングはどこで受けても保険はきかないから一緒」ではないことが分かって頂けたかと思います。
本当に、様々な歯医者さんで様々なホワイトニングシステムを扱っています。
料金だけでなく、「効果」と「安全性」の面でもよく考えて選ぶ必要があります。
それを見分けて判断するために必要なのは「私(専門家)の意見」でも「よくあるステマっぽい口コミ」でもありません。
心配な場合は、ていねいなカウンセリングをしてくれる歯医者さんへ!
先ほどご紹介したような低価格の「コンビニや回転寿司風のホワイトニング(と私は思っているのですが)」では、
歯科医師がしっかりとカウンセリングで現在の歯の色の状況や、その医院で扱っているホワイトニングシステムの説明、そしてどれ位白い歯になるのか?の目安について、また、それによる弊害や痛みの具合などまではお話してくれないでしょう。
しかし、当院はもちろんですが、他のホワイトニング医院でも、しっかりと歯科医師(衛生士さんではありません)が責任をもって説明してくれるところもあります。
そういう医院ですと、「希望の白さまでの治療回数」や「その料金」「ホワイトニングのやり方」「痛みの強さやその対処法」についての不安も解消してくれるでしょう。
色々なホワイトニングシステムを考慮
様々な医院でのカウンセリング前に、それまで聞いた物と同じホワイトニングシステムを扱っているかどうかは、事前に知識として知っておいても良いかもしれません。
以前、様々なホワイトニングシステムの特徴と違いについても書きましたので、参考にして下さい。
色々なホワイトニングの比較
※ちなみに、マイスタープラスホワイトニングで使用するシステムを扱っている医院は、確認している範囲内で、日本全国でも数件しかございません。
ホワイトニングはどこでも保険はきかないので、安易に料金の安さで選ぶのではなく、カウンセリングでしっかりと「安全性」や「方法」「痛み」「自分の歯の場合の効果」についても説明をしてくれる歯医者さんを選びましょう。