歯のホワイトニングには時間や費用がかかるため、ためらう方もいるでしょう。この記事では、自宅で手軽に始められるホームホワイトニングの方法を紹介します。歯科医院への通院なしで白い歯を目指せます。
ホームホワイトニングの基礎知識
ホームホワイトニングは自宅で簡単にできる方法です。基礎知識を紹介します。
- 使用する主な製品は、ホワイトニングジェルやマウスピース
- 歯科医の指導のもとで行うことが推奨されている
- ホームホワイトニングに使用する薬剤は低濃度
- 定期的に続けることで段階的に歯を白くできる
ここではホームホワイトニングの具体的なメリット・デメリットについて解説します。
ホームホワイトニングのメリット
ホームホワイトニングのメリットは、自分のペースでケアできることです。歯科医院へ通う手間が少なく、忙しく時間がない方にも無理なく継続できます。ホームホワイトニングのメリット一覧は以下のとおりです。
- コストパフォーマンスが高い
- 自宅でリラックスしながら施術可能
- 継続使用により自然な白さを実現
ホームホワイトニングは歯科医院での施術に比べ、低価格で利用できます。継続することで、徐々に自然な白さを実現します。自宅でできるため、周りからホワイトニングしていることを知られたくない方にも、利用できるでしょう。
ホームホワイトニングのデメリット
ホームホワイトニングは自宅で歯を白くする手段として人気ですが、いくつかのデメリットが存在します。ホームホワイトニングのデメリットは以下のとおりです。
- 効果が現れるまで時間がかかる
- 歯の色が元に戻りやすい
- 不適切な使用で歯や歯茎にダメージを与えるリスクがある
ホワイトニング剤は推奨される使用量や時間を守らないと、歯や歯茎にダメージを与えるリスクがあります。均一な白さを得るのも難しく、部分的に差が出る可能性も否めません。
敏感な歯や歯茎を持つ人は、使用時に違和感や痛みを感じることがあります。自宅でのホワイトニング剤の使用量調整は難しく、過剰または不足のリスクもあります。ホームホワイトニングのデメリットを理解し、適切な手順で行うことが重要です。
ホームホワイトニングの方法
ホームホワイトニングは、自宅で歯を白くする方法です。ホームホワイトニングの手順は以下のとおりです。
- 歯科医院で個別にフィットするマウスピースを作成
- ジェルをマウスピースに塗布し、指示された時間装着
- 毎日または数日おきに一定期間使用
ホームホワイトニングの具体的な方法について、以下に詳しく解説します。
歯科クリニックでマウスピースを作ってもらう
ホームホワイトニングは、歯科医院で専用のマウスピースを作ります。マウスピースを作成するときのステップは以下のとおりです。
- 歯科クリニックでカウンセリングを受ける
- 歯型を取ってもらい、個別のマウスピースを製作
- 製作されたマウスピースのフィット感を確認
- マウスピースの使い方や薬剤の使用方法を指導してもらう
- 定期的なフォローアップで効果の確認と調整
マウスピースは自分の歯にあわせて作られるため、快適に使用でき、ホワイトニング剤の効果を高めます。ホームホワイトニングでは専門家のサポートも得られるため、安心してホワイトニングを続けることが可能です。
自宅で定期的にホワイトニングをする
ホームホワイトニングでは、市販のホワイトニングキットや歯科用のジェルを使いながら、歯科医の指導が受けられます。ホームホワイトニングの効果を高めるコツは以下のようになります。
- 歯科医の指導のもと、正しい濃度と使用頻度を守る
- 清潔な口内環境での使用を推奨
- ホワイトニング後は一定時間、色素が強い食べ物や飲み物を避ける
ホームホワイトニングは、数週間から数ヶ月にわたって定期的に施行するのが一般的です。定期的なメンテナンスと適切なセルフケアが、白い歯を維持します。
ホームホワイトニングの効果
ホームホワイトニングの効果は使用開始後、徐々に現れ、通常は数週間から数ヶ月で歯の変化を実感します。ここではホームホワイトニングに期待できる効果や、アフターケアなどについて解説します。
期待できるホワイトニング効果
ホームホワイトニングは、歯の色を数トーン明るくするのに期待できます。ホームホワイトニングにより得られる効果は以下のとおりです。
- 汚れや黄ばみを軽減する
- 自信を持って笑顔を見せられるようになる
- 歯の色を自然な白さに改善する
ホームホワイトニングは長期的に続けることで、効果に期待できます。ホームホワイトニングは一時的でなく、持続的な美しさを手に入れる手段としても、有効な選択肢になるでしょう。
効果を感じるまでの期間
ホームホワイトニングの効果を実感するまでの期間は、10日から2週間程度と言われています。ただし、歯の本来の色や着色度合いによっては、個人差がある点を理解しておくことが大切です。ホームホワイトニングを利用するときのポイントは以下のとおりです。
- 短期間での効果を期待する場合は1日に数回の使用が必要になる(ただし指示に従うことが重要)
- 効果を実感するまでに通常1~3か月の継続使用が推奨される
- 歯の白さ維持のためのメンテナンスとしての使用であれば、週に1回程度でOK
ホームホワイトニングを利用することで、日常の食生活で付着する新たなステインを取り除き、白い歯を維持できます。
効果を維持するためのアフターケア
ホームホワイトニングの効果を維持するには、適切なアフターケアが重要です。アフターケアで意識するポイントは以下のとおりです。
- 定期的に歯科医院で歯の状態検診や歯の色測定を受ける
- 歯磨きを念入りに行い、プラークの蓄積を防ぐ
- 着色を引き起こす飲食物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)の摂取を控える
ホームホワイトニングに加えて、ホワイトニング専用の歯磨き粉を併用すれば、より歯の白さを維持できます。タバコは着色の大きな原因となるため、避けることが望ましいです。
ストローを利用して飲み物が直接歯に触れないようにすることも、白い歯を保つコツです。アフターケアを意識すれば、ホームホワイトニングの効果を維持できるでしょう。
ホームホワイトニングの安全性
ホワイトニング剤を使用するときは、誤って大量に飲み込んだり、推奨される時間以上に放置したりしないよう注意が必要です。ホームホワイトニングを利用するにあたり、気を付けるポイントは以下のとおりです。
- 適切な使用期間と頻度を守る
- 歯科医と相談し、歯や歯茎の健康状態を確認しながら使用する
- 安全のため歯科医師の指導のもとでの使用が推奨されている
ホームホワイトニングに使われる成分や作用、安全基準について以下に解説します。
歯磨き粉の成分と作用
⚠️「ホワイトニング」という言葉は歯磨き粉にも使用されているのですが、実は以下の2種類の別の意味で使用されていて、効果としては全然違います!
- オフィスホワイトニングやホームホワイトニングほ「ホワイトニング」→漂白して歯の中まで色素を抜いて白くできる。
- (日本製の)歯磨き粉の「ホワイトニング」→歯の表面のステイン(汚れ)を落とすだけの効果なので自然な色になる程度。
ここでは、歯磨き粉に含まれる、歯の表面の汚れを落とすためのさまざまな成分について紹介します。歯磨き粉に含まれる成分と効能の一覧は以下のとおりです。
成分名 | 効能 |
ハイドロジェンペルオキシド | 歯の色素を分解し、白さを回復する |
カルバミドペルオキシド | ハイドロジェンペルオキシドより緩やかに作用し、歯の漂白を促進 |
炭酸ナトリウム | 歯の表面を軽く洗浄し、汚れを浮かせる |
フッ素 | 歯質を強化し、脱灰を防ぐ効果がある |
グリセロール | 製品の粘度を調整し、歯への密着性を高める |
フレーバー成分 | 使用感を良くするために加えられる |
安定化剤 | 製品の品質を安定させるために使用される |
天然由来成分(パパイン、ブロメラインなど) | 自然な方法で歯を白くする効果がある |
上記の成分が歯の表面に作用し、本来のホワイトニング(漂白)効果とは別で、汚れを落として自然な色にします。自然由来成分を好む方向けには、パパインやブロメラインを含むホワイトニング剤を選択するとよいでしょう。
本来のホワイトニング効果として、歯をしっかりと白くしたい場合はホームホワイトニングがおすすめです。
ホワイトニング剤の安全基準
ホワイトニング剤の安全基準は、各国や地域によっても定められています。たとえば欧州連合(EU)では、過酸化水素の濃度が0.1%以上6%以下と義務付けられています。
アメリカのFDA(※)では、一般消費者向けホワイトニング製品の過酸化水素濃度について特定の制限は設けていません。しかし、安全性に関するガイドラインを提供しています。
安全に使用するには、製品の説明書をよく読み、推奨される使用頻度と時間を厳守することが重要です。
当院のホームホワイトニングは海外製の人気ナンバーワンの物を使用しますが、FDAでの安全基準が守られています。
人によってはアレルギー反応が生じる可能性があるため、事前に歯科医師へ相談することを検討しましょう。
※FDAとは、アメリカ食品医薬品局のことを指し、食品や医薬品、化粧品などを規制するアメリカの政府機関。
ホームホワイトニングのよくある質問
ホームホワイトニングによくある質問は以下のとおりです。
- ホワイトニングが歯にダメージを与える?
- ホームホワイトニングと歯のクリーニングの違いは?
- 歯が敏感な人でもホームホワイトニングできる?
上記の質問にお答えしながら補足解説していきます。
ホワイトニングは歯にダメージを与える?
ホワイトニングが歯に与える影響は、使用する方法や製品に依存します。使い方を誤ったり不適切な製品を選択したりした場合、歯のエナメル質にダメージを与えるリスクはアップ。ホワイトニング剤には、歯を一時的に敏感にする成分が含まれていることがありますが、一過性のものです。
製品によってはリミネラリゼーション(※)を促進する成分を含んでおり、歯を強化する助けになる場合があります。
専門家指導のもとホワイトニングを利用すれば、健康な歯を保ちつつ理想の白さを追求できるでしょう。
※リミネラリゼーションとは、歯がミネラルを吸収して弱った部分を自然に修復する作用のこと。
ホームホワイトニングと歯のクリーニングの違いは?
ホームホワイトニングと歯のクリーニングは、歯のケアにおける目的と方法が異なります。
- ホームホワイトニング
- 歯の表面や内部の色素を漂白し、見た目を美しくするために自宅で行える処置
- 歯のクリーニング
- 歯の表面のプラークや歯石を取り除き、歯や歯茎の健康を守るために歯医者で定期的に行う必要がある処置
ホームホワイトニングは見た目を改善するのに対し、歯のクリーニングは口腔衛生の維持に不可欠な役割を果たします。ホワイトニングは一時的な美白効果がある一方、歯のクリーニングは歯周病予防などを通じ、歯の健康を支えるものです。
歯が敏感な人でもホームホワイトニングできる?
歯が敏感な人でもホームホワイトニングは可能です。歯が敏感な人がホームホワイトニングを利用するときのポイントは以下のようになります。
- 低濃度のホワイトニング剤を使用することで歯への負担を軽減
- 歯科医師の指導のもと、使用方法や時間を調整することが重要
ホワイトニングの前後にフッ素トリートメントをすることで、歯を保護できます。ホワイトニング専門歯科クリニックでは、さまざまな製品があり、敏感な歯向けの商品もあるため、歯科医師に自分向けの物を選んでもらうのも一つの手段です。
使用前には歯科医師による診察を受け、個々の口内状況にあわせてアドバイスをもらうことが大切です。
ホワイトニング中に歯の敏感さが増した場合は、すぐに使用を中断し、歯科医師に相談してください。
まとめ
ホームホワイトニングは、自宅で手軽に歯を美しく白くできる方法です。歯科医師の指導のもと、安全性が確保されたマウスピースとホワイトニング剤を使用することで、歯を白くできます。
しかし、自宅で行う間は専門家のサポートがないため、正しい知識と使用方法を理解しておくことが重要です。継続的な美しさを保つためには、適切なアフターケアも欠かせません。
敏感な歯を持つ方でも、低濃度のホワイトニング剤を選べば利用できます。ホームホワイトニングは効果的で安全な方法ですが、専門家にアドバイスをもらいながら、進めていくのが理想となるでしょう。