【歯医者が徹底解説】ホワイトニングとホワイトスポットの5つの治療法

歯の美しさを追求していると、ホワイトスポットという問題に直面する方もいます。実は、ホワイトスポット(歯の白斑)は、自宅での対策も可能です。この記事では、ホワイトスポットの原因と治療法について解説します。この記事を読むと、ホワイトスポットを改善しながら美しい白い歯を手に入れるための知識が得られます。

ホワイトニングとホワイトスポットの基礎知識

健康的で美しい白い歯を維持するためには、ホワイトニングとホワイトスポットの知識をつけることが非常に重要です。ホワイトニングとホワイトスポットの基礎知識について、以下の3点を解説します。

  • ホワイトニングとは歯の見た目を美しくする処置
  • ホワイトスポットとは歯の表面に見られる白い斑点
  • ホワイトニングとホワイトスポットの関係

ホワイトニングとホワイトスポットの基礎知識を理解した上で、適切なケアを行うことが、白く健康な歯を手に入れるための鍵です。

ホワイトニングとは歯の見た目を美しくする処置

ホワイトニングとは、特別な漂白剤を使って歯の表面を白くする美容歯科の処置のことを言います。歯についた色素沈着や黄ばみを取り除き、見た目を美しくすることがホワイトニングの目的です。ホワイトニングの種類は、以下の2つです。

  • オフィスホワイトニング
  • ホームホワイトニング

オフィスホワイトニングは歯科医院で行われ、ホームホワイトニングは自宅で行えます。ホワイトニングには、過酸化水素や過酸化尿素を含む漂白剤が使用され、歯を白くする効果が期待できます。処置には一時的に知覚過敏や歯肉に刺激を感じる可能性があるため、専門家の指導のもとで正しく行うことが重要です。

ホワイトスポットとは歯の表面に見られる白い斑点

ホワイトスポットとは、歯の表面に見られる白い斑点のことを指します。歯のエナメル質にミネラル濃度の変化が起こった結果として現れる現象です。ホワイトスポットは見た目にも影響し、美しさを損なう場合があります。

歯磨きが行き届かない部分や、特定の場所で目立つことがしばしばです。心配なのは、初期の虫歯のサインとして現れる場合があることです。歯の健康を維持するために、注意しましょう。

ホワイトニングとホワイトスポットの関係

ホワイトニングとホワイトスポットは密接な関係があります。適切な処理を怠ると、ホワイトニング後にホワイトスポットが、より目立つ可能性があるため注意が必要です。

ホワイトニングを行う前には、ホワイトスポットの原因を特定して適切な治療を行うことが大切です。均一で美しいホワイトニングの結果を得るためには、ホワイトスポットに特別な処置を施すことが必要な場合があります。

歯科医師
歯科医師

ただし、あくまでもホワイトニングによるホワイトスポットが目立つ期間は「一時的」で、1週間もすると元通りに馴染んできますのでご安心ください。

ホワイトニングスポットの原因

いくつかあるホワイトスポットの原因は、以下のとおりです。

  • 初期の虫歯
  • 栄養の不足
  • 外傷
  • 高濃度のフッ素
  • 遺伝

ホワイトスポットは、歯の健康に影響を与えるため、原因を理解し適切な対策をとることが大切です。

初期の虫歯

虫歯は、歯のエナメル質が細菌によって徐々に溶け出すことで始まります。ホワイトスポットが目立ち始める原因は、細菌が産生する酸です。虫歯の発生は、不十分な歯磨きや甘いものの過剰摂取による不適切な食生活と関連があるとされています。

初期段階の虫歯は進行が遅いため、適切なケアで状態が改善する可能性があります。効果的な歯磨きの方法を学び、バランスの取れた食事を意識することが、虫歯の進行を防ぐためには非常に重要です。

栄養の不足

健康な歯と口内環境を維持するため、栄養が歯に与える影響を理解し、日々の食生活に注意を払うことが大切です。歯のエナメル質の発達に必要なカルシウムやビタミンDが不足すると、ホワイトスポットが生じる可能性があります。

歯の色の変化として目立つことが多いホワイトスポットは、健康問題のサインです。妊娠中や成長期の子どもが栄養不足に陥ると、将来的な歯の健康に影響を及ぼします。バランスの取れた食事と適切な栄養摂取が重要です。

外傷

歯に強い衝撃が加わると、エナメル質の下の歯質(象牙質)に影響を及ぼす可能性があります。外傷は、ホワイトスポットを引き起こす原因のひとつです。スポーツ中のボールや他のプレイヤーとの衝突、交通事故などが原因で歯がダメージを受ける場合があります。

外傷を受けた後の歯は、神経が反応し変色する場合があり、治療を怠るとホワイトスポットが恒久的になる危険があります。歯に予期せぬ衝撃を受けた場合は、速やかに歯科医の診察を受け、適切な治療を行いましょう。

高濃度のフッ素

フッ素は、ほとんどの歯磨き粉に含まれる成分で、歯を強くし虫歯を防ぐ効果があります。高濃度のフッ素が長時間歯に触れると、歯のエナメル質に白い斑点が現れることがあります。白い斑点はフッ素斑と呼ばれ、見た目の美しさに影響を及ぼすため、注意が必要です。

特に子どもの頃にフッ素を多く摂取すると、成長中の永久歯にフッ素斑ができやすくなります。フッ素班の予防のためには、適切な量のフッ素を使用することが重要です。歯磨き粉の使用量を守り、フッ素洗口剤を正しく使うことが推奨されています。フッ素製品を使う際は、歯科医の指導を受け、正しい使用方法を心がけましょう。

遺伝

ホワイトスポットを理解するためには、遺伝的要因を考慮することが不可欠です。親や兄弟にホワイトスポットがある場合、ホワイトスポットの発生リスクが高いことが分かっています。歯の形成過程において、個人差のあるエナメル質の質や厚さは、遺伝によって決定される部分です。

特定の遺伝的疾患が、ホワイトスポットの形成に影響を与えることもあります。遺伝子の変異が歯の発育に異常を引き起こし、ホワイトスポットを生じさせる場合です。遺伝が歯に与える影響について理解することで、予防や適切なケアにつながります。

ホワイトニングスポットの症状

ホワイトスポットの症状は、重症度によってさまざまです。ほとんどのホワイトスポットは痛みを伴わないですが、重度になると歯の敏感性が高まります。自分では気づきにくいため、定期的な歯科検診が重要です。ホワイトスポットの症状について、軽度と重度に分けて解説します。

軽度

軽度のホワイトスポットは、歯の表面に白やクリーム色の小さな斑点として現れます。軽度のホワイトスポットは目立たず、歯の美しさに少々影響を与える程度です。質感にわずかな違いがありますが、触っても明確な凹凸は感じられません。

軽度のホワイトスポットができる原因は、歯磨きが不十分であることや食生活が乱れていることです。日常生活の小さな習慣に起因することが多いです。 軽度のホワイトスポットは、口腔衛生をしっかりと保つことで自然に改善できます。症状が進行していない場合は、簡単な治療や予防措置で状態の改善が可能です。

重度

重度のホワイトスポットは歯の表面に広がる白い斑点が目立つだけでなく、質感にも変化をもたらします。重度のホワイトスポットは、ざらざらとした感触が特徴です。

歯のエナメル質が侵されるため不健康な印象を与え、最悪の場合、歯の形が変わり歯並びに影響を及ぼす可能性もあります。歯が弱くなるため、食べ物をかむ際に痛みを伴います。

重度のホワイトスポットは見た目の問題だけでなく、口腔内の健康にも深刻な影響を及ぼすため、適切な対策と治療が必要です。

ホワイトスポットの治療法

歯の健康と美しさを保つためには、ホワイトスポットへの適切な対応が必要です。ホワイトスポットの治療法は、ホワイトニングだけではありません。ホワイトスポットの治療法は、以下のとおりです。

  • ホワイトニング(特にホームホワイトニング)
  • フッ素やMIペーストの使用
  • エナメルマイクロアブレーション
  • ポーセレンラミネートベニア
  • ダイレクトベニア

ホワイトスポットの治療法は、歯科医と相談し状況に応じた最適な方法を選びましょう。

ホワイトニング(特にホームホワイトニング)

ホワイトニングは1つの歯だけでなく、前から見える天然の歯全体を漂白し、全体を白くすることで、ホワイトスポットの部分を目立ちにくくすることができます。

さらに、ホワイトニングは歯を一切削らずに、歯の表面の薬剤を浸透させていくだけで白くなっていくので、もっとも歯に対する侵襲も低く、安全な治療法ともいえます。

ホワイトスポットの程度が強い場合は、1回で一気に白い歯にするオフィスホワイトニングよりも、自宅でじっくりと低濃度の薬剤で白くしていくホームホワイトニングの方が改善されるので、おすすめです。

歯科医師
歯科医師

なるべく早く、そして侵襲がないようにホワイトニングでホワイトスポットを目立たなくさせるには「オフィスホワイトニング」で一気に全体を白くした後で、さらに自宅でも「ホームホワイトニング」でじっくりと白くしていくことで、色むらの程度もひどくなく、しっかりと全体を白くできるので、ホワイトスポットとの色の差も気にならなくなるはずです。

この「オフィスホワイトニング」+「ホームホワイトニング」のことを「デュアルホワイトニング」といいます。

フッ素やMIペーストの使用

歯を守り健康を保つために、フッ素やMIペーストの使用がおすすめです。フッ素には歯質を強化し、初期の虫歯を予防する効果があります。ホワイトスポットの再石灰化を助け、見た目を良くします。MIペーストに含まれているリカルデントの効果は、エナメル質の修復の支援です。

ホワイトスポットに直接塗布することで、エナメル質を強化し見た目を改善します。定期的に歯科医の指導のもとで使用し、指定された量を守ることが必須です。フッ素やMIペーストを正しく取り入れると、効果的なホワイトスポットのケアが可能となります。

エナメルマイクロアブレーション

エナメルマイクロアブレーションは、歯の表面のエナメル質を少しだけ削る治療方法です。歯にできた小さな白い斑点や、軽度の変色を取り除くのに適しています。細かい粒子の研磨材と特殊な薬品を使い、削る量を最小限に抑えながら治療します。

歯は自然な見た目を取り戻し、治療した部分も目立ちません。エナメルマイクロアブレーションでの治療は時間がかからず、麻酔をする必要もありません。エナメルマイクロアブレーションは、対応できるホワイトスポットが限られる点には注意しましょう。場合によっては、別の治療が必要になります。

ホワイトニングと組み合わせることで、さらに美しい白さを実現できます。エナメルマイクロアブレーションでの治療後は、歯のケアがとても大切です。きちんとしたメンテナンスを行うことで、ホワイトスポットの再発を防げます。

ポーセレンラミネートベニア

ポーセレンラミネートベニアは、歯の表面に貼り付ける薄いセラミックのシートです。色調の改善や、歯の形を修正するのに効果的であり、自然な見た目に近づきます。耐久性や色の安定性に優れており、長期間美しい状態を保つことが可能です。

歯を削る量が少ないため、歯の健康を保てるメリットがあります。ポーセレンラミネートベニアの取り付けには費用と時間がかかりますが、長持ちするため投資する価値は大いにあります。

ホワイトスポットをカバーする方法としても有効であり、歯の美しさを取り戻すことが可能です。治療を受ける前には、歯科医との十分な相談が重要です。ポーセレンラミネートベニアの取り付けは、精密な技術が必要になります。高い専門性を持つ歯科医を選びましょう。

ダイレクトベニア

ダイレクトベニアは、歯の表面に直接レジンを塗布して形成する治療法です。ダイレクトベニアの特徴は、以下のとおりです。

  • 色調や形状の微調整が容易に行える
  • 治療時間が短く、比較的低コストである
  • 歯を削る量が少なく、歯質を多く残せる
  • ホワイトスポットや小さな欠け、変色をカバーする
  • 施術後の調整や研磨を行うことで自然な見た目に仕上げられる

ダイレクトベニアには、注意すべき点もあります。耐久性に関してはポーセレンラミネートベニアに劣るため、メンテナンスが必要になります。保険適用外の治療となるケースが多いので、事前に費用について確認することが重要です。

まとめ

ホワイトスポットの治療法は、歯科医師と相談し、個々の症状やニーズに合わせた適切な処置を選ぶことが重要です。この記事では、以下のことを解説しました。

  • ホワイトニングは歯を白くする処置
  • ホワイトスポットは歯の表面に白い斑点
  • ホワイトスポットは、虫歯の初期段階、栄養不足、外傷、フッ素の過剰摂取、遺伝が原因
  • ホワイトスポットの症状は、軽度から重度までさまざま
  • 治療法はホワイトニングや削ってカバーする方法などさまざま

美しい笑顔は健康な歯から始まります。歯の悩みがある場合は、早めに専門家に相談しましょう。

ホワイトニング専門歯科医 Dr.Aya

東京のホワイトニング専門歯科「ホワイトマイスター」代表歯科医師のDr.Ayaです。日本審美歯科学会会員、日本アンチエイジング歯科学会認定医であり、同学会認定ホワイトニングエキスパート。アメリカのホワイトニング専門資格等保有。一回で白い歯になるホワイトニングで皆様を素敵な笑顔にするため日々努力しております。

詳しいプロフィールはこちら

関連記事

この記事を書いた人
人気の記事
  1. ホワイトニング歯磨き粉ベスト11【専門の歯医者がオススメ】

  2. 【本当に一回で白い歯に?】一回で白くなるホワイトニングとは?歯医者…

  3. ホワイトニングで得られるメリット

この記事のもくじを開く